腰椎分離症・すべり症の治療に関する記事

腰椎分離症・すべり症の治療

2017年9月6日 2017年12月27日 投稿者: oj-youtu

一般的に痛みの緩和・骨の癒合を目的に保存療法を行い、体幹に負担がかかるスポーツはなるべく控えていただく必要があります。

スポーツを控えていただく理由として症状が再発する恐れが現実的に多いからです。

痛みを緩和する方法として、以下のものを使用します。

保存療法の種類

では、保存治療の種類について説明していきたいと思います。

・薬物療法
腰痛で病院や整形外科で診断してもらった場合に湿布や塗り薬といった外用薬または炎症を抑える為の消炎鎮痛剤,筋肉の緊張を和らげることで腰の痛みを和らげる筋弛緩剤などがあります。また腰痛の原因が神経の場合は神経の回復を目的としたビタミンなどを摂取することがあります。

・装具療法
装具療法は、患者自身の大きさに合わせたコルセット又は腰痛ベルトを着用し一定期間生活する治療方法です。
装具療法の目的として、

  • 腰椎の動きを制限し、腰部にかかる負担を軽減させる。
  • 脊椎の変形または異常姿勢を矯正する

があります。但し、一定期間過ぎても着用しているといつもまでの治療前に戻らず、かえって腰痛簿の症状が出る可能性がある為、着用に必要がないと診断された場合は速やかに着用をやめておきましょう。

・神経ブロック療法
腰痛の症状でも、下肢への痛みが強く薬物療法などでも十分な効果が得られない場合に行う治療方法でペインクリニックなどで腰痛の相談をした場合に行うことが多い治療方法です。目的として激しい痛みや長期的な痛みが続くと交感神経が緊張してしまい、さらに痛みを呼び起こすことがある為、痛みの原因となっている神経又は周辺の神経に対して神経ブロック注射を打ち脳への痛みの伝達を遮断します。

・運動療法
腰痛になった場合に安静にすることがありますが、安静の期間が長くなると腰痛が長引くことがあります。

その為、安静が必要ない場合は、体操やストレッチや腰痛の改善になることがあります。
理由として、腹膜筋を鍛えることで腰に負担がかからないようにしているのですが、腹筋の筋力が低下することにより、
脊椎へと負担がかかり、脊椎が支えきれなくなることで神経への圧迫または筋肉への負担から炎症が起こる為、痛みや痺れと言った症状が現れる為、腹筋や背筋を鍛えることも重要と言えます。

但し、ただ腹筋と鍛えればいいかと言えばそうではなく、正しくない方法や無理をしての筋トレなどは反対に腰痛を悪化する恐れもありますので、ストレッチや運動を行う前又は教えて頂いた運動方法を忘れてしまった場合は医師に相談しましょう。

腰椎分離症・すべり症の外科手術

保存治療でも効果がない場合に対して、神経への圧迫を取り、不安定な状態になっている椎骨の安定をはかる為、外科手術を行う場合があります

脊椎固定術

全身麻酔の手術。患者様の患部、腰の後方を縦に切開。靭帯・骨を切除し、神経への圧迫を解放します。

腰椎の後方からスクリューを入れて離れている椎骨をフック・ワイヤー・ロッドを組み合わせて元の位置に戻すように固定します。

時間の経過にてスクリューが緩むのを防ぐ為、自家骨と腰椎の側方にて骨を移植します。

脊椎固定術の詳細は下のバナーをクリックしてください。

分離部修復術

腰椎分離症を発症し、すべり症が合併していない場合に行うことがある外科手術の方法です

脊椎の一部が骨折して分離した部分に対して骨移植を行い骨折箇所を修復し、その後は腰椎と分離している骨をワイヤーまたはスクリューを用いて、固定します。

腰椎分離症・すべり症の治療Q&A

腰椎分離症の治療はありますか?
一般的に保存療法が第1選択であり、保存療法を選択した場合でも骨癒合を期待しての治療(6~12ヵ月)か、疼痛軽減目的(1~3ヵ月)かで安静期間は異なります。体幹に負担のかかるスポーツ活動は3~6ヵ月間休止いただくように案内しますが、実際には長期間の休止は選手や周囲の理解が得られず、早期に復帰してしまい症状の再発を繰り返す場合が多く見られます。
疼痛対策には温熱ホットパック、低周波、干渉波などの物理療法、消炎鎮痛剤を用います。体幹の保護にはコルセットも有用です。一定の安静期間後に疼痛が軽減したら体幹のストレッチング、腹背筋訓練など基本的運動を開始します。手術は保存療法に抵抗して長期間疼痛が残存する症例で、神経根症状が伴うことがあります。分離部の動揺性が強い場合は骨移植手術、脊椎固定術などを行うこともあります。
腰椎分離症は手術で治りますか?
腰椎分離症の場合、コルセットによる固定と安静や、薬物でも痛みが治まらない状態が続く場合は手術を行います。腰椎分離症で手術が必要になる例は全体として少数です。一つ目は、分離を癒合させる手術です。分離すべり症にまで進行している場合は脊椎固定術をおこないます。手術療法の基本は神経の減圧と腰椎の安定を目的としたものであり、すでに損傷を受けている神経機能を完全に回復させる事はできません。罹病期間が長く術前神経症状が重篤な場合、また画像上神経の圧迫が高度で多椎間にわたっている場合、すでに神経麻痺を認める場合には、術後の神経症状の回復には限界があります。
腰椎分離症に筋トレやストレッチは効果ありますか?
腰椎分離症は、通常の骨折にたいする治療と同様の対応をし、約2~3ヶ月間、全ての運動を禁止します。運動を禁止している間は、腰椎を安定させるための体操が大切です。腰部・骨盤の筋を伸ばすストレッチと強化の二つからなり、ストレッチする筋は腰、太ももの前と後、強化する筋は腹筋、お尻の筋肉です。とくに太ももの後ろの筋肉のストレッチが大切です。
腰椎分離症を治療しなければどうなりますか?
腰椎分離症は、発症したばかりの状態ならば比較的楽に治療することができますが、放置すればするほど治療が難しくなります。また、別の病気を引き起こす可能性も出てくるため、腰椎分離症は少しでも早い治療がとても大切なのですが、そのまま放置してしまうと根本から完治させることが難しくなります。成人を過ぎる頃には、椎間関節を元の状態に戻すことが非常に困難になってしまっている場合が多く、少しでも放置すると、腰椎は常に不安定な状態のままになってしまい、それが原因ですべり症や椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症を引き起こし治療が困難になっていく為、大人になって後悔することもあります。腰椎分離症が厄介な病気ですが、それを元として発症する別の病気がさらに輪をかけて厄介です。特に脊柱管狭窄症は単純に痛みが強くなるだけでなく、脊柱管の中の神経が押し潰されることによって、体の様々な箇所に症状が表れます。脊柱管狭窄症を併発した場合は、下半身にしびれが表れ、進行するにしたがって、知覚障害や排泄障害などの後遺症が残るようになりますので、腰椎分離症と診断された場合は、少しでも早い治療をするようにして、絶対に放置しないで治療するようにしてください。