腰痛疾患に関する記事

脊髄腫瘍

2017年9月6日 2017年09月07日 投稿者: oj-youtu

 

脊髄腫瘍とは?

脊髄腫瘍は、脊髄及びその周辺組織にできる腫瘍のことをいい、脊椎、神経根、または脳脊髄を包んでいる硬膜から発生します。

通常の腰痛の症状と違い、腫瘍による神経の圧迫が原因により、慢性的な痛みが発生し、また脊髄の中から発生した腫瘍に関しては脊髄自体に障害が発生します。

痛みが発生する場所は、腫瘍ができた箇所によって症状が異なり、例えば、頸椎周辺に腫瘍が発生した場合は手足に痛みや痺れが発生し、腰部に腫瘍が発生した場合は下肢に痛みや痺れが発生します。

脊髄腫瘍の症状として

  • 腰痛症
  • 手足のしびれ
  • 坐骨神経痛
  • 運動障害
  • 知覚障害
  • 排尿障害
  • めまいや頭痛

といった症状が出てきます。

また、脊椎または脊髄にできた腫瘍によって進行速度が異なり、良性よりも悪性腫瘍の方進行が早く、痛みの症状も激しくなります。

また痛みの箇所が毎回変更する場合は、腫瘍が転移している可能性がある為、細心の注意が必要です。

脊髄腫瘍の種類

脊髄腫瘍が発生する原因は腫瘍が発生した場所によって異なります。

硬膜の外側から発生した腫瘍の多くは、他の体の組織から転移した可能性が多く、脊椎を破壊しながら腫瘍は大きくなり、脊髄を圧迫します。

転移する腫瘍は肺がん・乳がん・前立腺がん・消化器がんから脊椎から転移することが多いと言われており、脊髄・脊椎から腫瘍が出ることはきわめて稀です。

硬膜の内側から発生した使用は腫瘍は神経から腫瘍が発生する場合(神経鞘腫)や硬膜から発生する腫瘍が発生(髄膜腫)。腫瘍が大きくなるにつれ、脊髄を圧迫します。

脊髄の中に発生する腫瘍は一括して神経膠腫と呼ばれ、脊髄組織をつくる為の細胞である神経膠細胞から発生します。

脊髄の中から発生する腫瘍は少しずつ周りに広がる為、どの範囲までが腫瘍であるかの判別が難しく、時に悪性腫瘍の治療は非常に困難となります。

脊髄腫瘍の診断

脊髄腫瘍の診断方法としてMRI検査があり、ほとんどの脊髄の腫瘍は発見が可能と言われています。

脊椎から腫瘍が発生している場合、あるいは腫瘍自体が骨のように硬化している場合は、CTやX線などで診断を行う場合もあります。

また、腫瘍が血管からの病気が判断が難しい場合には、血管造影を行います。

脊髄腫瘍の治療

良性腫瘍の場合は、神経の圧迫や痛みが出ている場合のみ摘出手術を行いますが、なにも症状が出ていない場合は手術を行うことは稀です

悪性腫瘍の場合は転移元となるがんの病巣から外科手術・放射線治療・化学療法を行い、転移先の腫瘍の治療を行います。

摘出する方法として手術顕微鏡を用いて腫瘍と脊髄の境目を確認しながら摘出を行います。

脊髄は手足を動かすための神経が束になって存在しており、誤って傷つけることができない為、熟練の医療技術と細心の注意が必要です。また、腫瘍と脊髄の判断が難しいことから、全ての腫瘍を摘出することが困難と言えます

その場合は、残った腫瘍に対して放射線や抗がん剤を使用した化学療法を行います。(良性腫瘍の場合は放射線や抗がん剤を使用することはありません。)