腰痛治療に関する記事

PLDD法(経皮的レーザー椎間板減圧術)

2017年9月6日 2017年09月06日 投稿者: oj-youtu

PLDD法とは

PLDD法は椎間板内の髄核に対してレーザーを照射し、蒸散させることで椎間板内の圧力を弱め、椎間板内に収縮させる治療方法です。

PLDD(経皮的レーザー椎間板減圧術)

日本では、腰痛の治療は外科治療が主流であったこと、保険適応外であるという理由から、治療が可能な施設が少なかったのですか、2000年ごろから民間の医療機関でも機器を導入し、治療を行う病院が増えてきています。
専用のレントゲン検査機器にてヘルニアの位置を正確に把握してから針を刺し、刺した針の経路にレーザーファイバーを通します。針を刺した後は、専用機器のX線透視にて、針の位置を確認しながら治療を行い、患者様からもモニターにて確認することができますので、医師が説明しながら治療を行う為安心して治療を受けることができます。

PLDD法のメリットとして、皮膚の切開ではない為、低侵襲で身体への負担が非常に軽いことです。
また、患部に刺す針も約1㎜と非常に細く、出血もほぼ出ません。
PLDD法は腰部だけでなく、頸椎のヘルニアにも適応が可能な治療方法です。
照射するレーザーの熱量や照射する回数に関しては、ヘルニアの場所や大きさなどによって異なります。
術後は30分~1時間安静にしていただき、その間に合併症を起こさないように抗生物質の点滴を行い、最後に医師の診断後に問題なければ退院することが可能です。

効果として神経の圧迫を軽減させ、痛みや痺れが改善されます。
ただし、全ての方に塞効果が出るわけではない為、3~4か月の間は対症療法が必要な場合も実際に存在します。

他の外科手術と違う点として入院での安静期間がない為、通常での手術での入院期間が2週間~3週間に対してPLDDは即日治療を行い、日帰りで治療を行うことが可能です

例えば、

  • 早急に腰痛を抑えたい
  • 腰痛を改善したいが、入院する程時間に余裕がない。

といった患者様でも治療を行うことができます。

もう一つのメリットとして退院後のリハビリがないことです。通常の外科手術であれば、入院中にリハビリがあり、退院後も通院しながらのリハビリが必要ですが、PLDDに関しては基本的には退院してからは通院の必要はありません。

PLDD法の対象は

主に急性期の椎間板ヘルニアには適応が可能です。

椎間板ヘルニア

ヘルニアが大きい場合やヘルニアが硬化している場合は治療効果が得られない場合がある為、診察や画像診断を十分に行ってから治療の有無を決め、PLDD以外の治療法を案内する場合があります。

また、PLDD法に限らず、椎間板ヘルニアの外科手術に共通して言えることですが、再発の可能性はあります。

レーザー治療を行うことで、椎間板の変性が起きつぶれやすくなるのではないか否定される方もいるようですが、実際の観察例はまだ出ていないようです。

PLDD法の治療効果と術後の生活について

PLDD法の治療を受けることで即日効果が出るか方もいれば、効果が出るのに2~3ヶ月期間を要する場合があり、その間は対処療法を行う必要があります。

対処療法の含め、治療前に比べて効果があったと言う方が80%以上だと言われています。

合併症とその割合

PLDD法の合併症率は0.3%~1.0%で合併症は椎間板炎だと言われており、多くの病院はその合併症を防ぐために、術後に抗炎症剤または抗生物質を処方しています。

PLDD法のメリット・デメリット

メリット

  • 外科手術に比べて身体への負担が少ない。
  • 局所麻酔にて、施術時間も15~20分程度なので日帰りでの手術が可能。
  • 出血が少ない。
  • 傷口が非常に小さい。
  • 退院後通院の必要がない。

デメリット

  • すべての症例の椎間板ヘルニアに適応ではないこと。
    (軽度~中度の椎間板ヘルニアが治療の対象となる為、診断結果によっては、手術が受けられない場合があります。)
  • 手術の費用が健康保険適応外。(自費診療)

腰痛疾患別治療適応表

椎間板ヘルニア

軽~中

この治療法が有効な疾患