腰痛疾患に関する記事
脊椎側弯症
脊椎側弯症とは?
脊椎(背骨)は7つの頸椎、12つの胸椎、5つの腰椎で構成されており、脊椎側弯症は脊柱側弯症とも言い、脊椎が側方に10度以上曲がってしまう症状のことを言います。
脊椎側弯症は自覚症状が出ない為、気づかないことが多く、外見で分かる場合は、すでに病状が進行している可能性が大きいです。
腰痛疾患は高年齢層が起きやすいイメージですが脊椎側弯症は思春期が最も多く、時に小学生高学年から中学生の間に発症することが多い腰痛疾患です。
脊椎側弯症の症状
脊椎側弯症は無症状なことが多く、検査を行った結果気づくこともありますが、症状が悪化するにつれて内臓が圧迫されることによる腰痛への痛みや下肢への痺れが現れることがあり、また内臓が圧迫されることでの消化器や呼吸器への障害が現れる危険性がある為、重度の脊椎側弯症の場合は外科手術が必要となります。
脊椎側弯症の原因は
現在、脊椎側弯症の原因の特定はできていません。代わりに、いくつか原因と上げられるものを紹介していきます。
1.機能性側弯
姿勢の悪さや、左右の足の長さが異なることから側弯する可能性があります。
但し、一時的なことが多く自然経過で治ることもあります。
2.原因不明で起きる
- 先天性側弯症
- 神経・筋性側湾症
- 外傷性側弯症
- 突発性側弯症
脊椎側弯症の診断
脊椎側湾症と判断するには画像診断が必要ですが、その前に日常生活の中で違和感に気づくことがあります。
画像診断の前に自宅でも確認できる方法がありますので先にご紹介いたします
・立位検査
真っ直ぐに立って気を付けをしていただきます。また確認する方は背後から以下の内容を確認してください。
- 肩が斜めになっていないか
- 肩甲骨の高さがずれていないか
- 肩甲骨の盛り上がりに差はないか
- 腰の高さが左右でずれていないか
・前屈検査
手のひらを合わせ、肩の力を抜いてから前屈をしていただきます。その時は、ゆっくり前屈をしていきます。
急に倒すと腰に負担がかかることと前屈の距離を調べているのではなく、前屈をした際にどちらかの背中や腰の高さが盛り上がっていないかを調べています。仮にいずれかに盛り上がっている場合は、脊椎側弯症の可能性があります。
・画像診断
立位検査又は前屈検査を行い、脊椎側弯症の可能性がある場合はX線やMRIを使用して撮影し、画像診断を行います。
脊椎側弯症の治療
脊椎側湾症のQ&A
- 脊椎側湾症が自然に治ることはありますか?
- 機能性側弯と呼ばれる一時的な側弯症以外は自然に治ることはありませんが、例外として出産してから3歳までの脊椎側湾症が治る可能性があると言われています。
- 脊椎側弯症と神経異常は関係ありますか?
- 脊椎側湾症の一度は神経に異常があることがわかっており、MRIで確認することができます。
- 脊椎側湾症に予防策はありますか?
- 現状では、脊椎側弯症の予防方法は発表されていません。
- 姿勢を治すことで脊椎側湾症を治すことはできますか?
- 姿勢を治すことで痛みの緩和をすることができたとしても機能性側弯以外の脊椎側弯症は完治することが出来ません。
- 私は脊椎側湾症ですが生まれてくる子供にも遺伝するのでしょうか?
- 現時点では脊椎側弯症が遺伝するという発表はされていませんが、遺伝に関連している可能性があるということも言われてきています。
- 側弯症と診断されました。完治しないのであれば放置しても大丈夫ですか。
- 患者様によっては進行度が異なりますが、全く進行しないことはない為、病院での診断と治療を行っていただくことを案内しています。
- 成長期が過ぎた後は側弯症にはならないでしょうか?
- 多くの場合は成長期後に側弯することはありません。
但し、重度の側弯症や神経線維腫症や神経・筋性側弯症といった原因では脊椎側弯症は成長期後も進行することがあります。