腰痛のための情報サイト

腰痛は日本人の国民病といわれるほど多くの人に発症する障害です。特に40~60歳代の中高年に多く見られ、90%が一生に一度は腰痛を経験すると言われます。
このサイトでは、腰痛の原因から、医療機関での診断方法、治療方法についてなど、腰痛の疑問についてまとめました。

腰痛疾患

腰痛症のイメージ

腰痛症とは?

「腰痛=腰痛症」と言われることが多く、正式な定義は「原因となる病変が認められない下肢の痛みなどの神経症状を伴わない腰痛」のことを言います。
腰痛症の症状はひとによって「刺すような痛みや」「鈍い痛み」「響く痛み」といった痛みの症状の伝え方が異なります。
その理由として、腰痛症=「原因となる病変が認められない下肢の痛みなどの神経症状を伴わない腰痛」として扱われることから腰痛症の定義の範囲が非常に広い為、同じ腰痛症の診断でも、症状の表現の伝え方が異なると言えます。

あと、腰痛症=椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症ではないですが、もし、下肢に痺れなどの症状が出始めたら、病状が悪化して腰に負荷がかかった為、結果、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアになったということも考えられます。

腰痛の症状

「急性期」と「慢性期」

腰痛症は「急性期」と「慢性期」の2つに分けて説明されることが多く、腰痛の症状の出方が異なりますので下記で分けて説明いたします。

急性期の腰痛

急性期の腰痛イメージ急性期の腰痛症の定義として痛みが発生してから4週間以内に痛みがおさまる腰痛のことを言い、症状として、急な痛みが腰を激しく襲い、代表的な症状として「ぎっくり腰」があります。ぎっくり腰は、重たいものを持ち上げようとした場合や腰を急に強くひねってしまった結果、別名『魔女の一撃』とも言われる背後から激しい腰の痛みが現れます。その痛みに襲われるとしばらくは歩くことは難しいほどの痛みです。

急性期の腰痛イメージ

慢性期の腰痛

慢性期の腰痛イメージ慢性期の腰痛は急に腰に対して激しい痛みを与えることはありません。
但し、毎日の腰への疲れが蓄積している為、筋肉が緊張して張っているまたはコリがあることから、重く鈍い痛みがじわじわと長期間続く傾向があり、急性期とは異なり、急に痛みがおさまる、完治することはありません。

慢性期腰痛の代表例として挙げられるのが筋筋膜性腰痛です。
筋筋膜性腰痛について詳しくみる >

慢性期の腰痛イメージ

慢性期腰痛は腰椎や椎間板に障害や病気がおこることにより、炎症が発生するためで痛みが現れます。

腰椎の障害の原因

椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、
腰椎分離症・すべり症、変形性腰椎症、
脊椎側弯症、骨粗しょう症

腰椎の病気

腰痛への細菌や腫瘍の感染が原因で骨が損傷、腰の痛みが現れます。

脊髄腫瘍

腰痛治療方法

腰痛治療方法のイメージ

激しい痛みや重い痛みが出てきたら、無理に体を動かそうとせずに安静にし、どういったことが起きて痛みが出始めたかといった原因を憶えておくことが重要です。
もし、自宅などで治療を行う場合、痛みの出始めの時期は冷湿布を貼るまたは痛み止めの薬を飲み痛みを抑えます。 筋肉が原因の痛みであれば、それだけで痛みが消えることもあります。

ただし、それでも痛みが続くようであれば、病院での診断が腰痛の原因を調べて、その原因に見合った治療を行うことが必要になります。
腰痛=手術というイメージをお持ちの方がいますが、必ず手術を行うということはありません。ここでは腰痛の治療に関するついてまとめました。

保存療法

腰痛がでた時、まずは痛み止めの薬を飲むまたは理学療法(温熱療法、低周波治療)、腰痛ベルトを装着するなど腰への負担を軽減しながら経過観察を行います。保存療法のイメージ筋力の低下による腰への負担が原因の場合は、無理に激しい運動をせずに、マッサージ・ストレッチを行って十分に筋肉をほぐしてから、軽い運動をを行って徐々に筋力をつけます。
筋力をつけることで腰への負担が軽減される為、痛みの緩和、痛みをなくすことが可能になります。

外科手術

保存療法で効果がない場合、外科手術を行います。症状の度合いにより、日帰りで受けられる治療もあります。

外科手術のイメージ

内臓疾患からの腰痛

内臓疾患からの腰痛の画像

外的要因ではなく腰痛になった場合、内臓疾患による原因で近くに存在する腰に大きく負荷がかかり、その結果腰痛になることが考えられています。その場合が、外的要因の腰痛と違い、楽な姿勢というものがなく、特定の場所に嫌な痛みが続きます。その痛みが続く為、眠れないなどの状態が出てきます。

同時に腰痛以外でも、吐き気や腹痛。めまいなどの症状が出てくることもあります。
内臓疾患による腰痛は腎臓からくることが多く、背中側の腰周辺が痛むというのであれば、腎盂炎、腎臓結石などの腎臓の疾患の可能性が出てきます。

心因性腰痛

現代では、ストレスや鬱病、不安などの心の問題から腰痛が起こることも多く、まとめて『心因性腰痛症』と呼びます。病気が原因ではなく保存療法などで治療しても腰痛に対して効果が出ていない場合は、心理的要因が大きくかかわっていると考えられています。
腰痛に「なぜ心理的要因?」と考えられる方も多いと思いますが、腰痛の発症に関わり、腰痛を慢性化させ、再発率を高める危険因子であると考えられることが多いのです。

腰痛の因子になりやすい心理的要因

こころの問題

痛みへの恐怖心や強い不安感・いつも痛みのことばかり考えてしまう。

抑うつ状態になり、少しのことでイライラしたりやる気が出なくことがある。

診断と治療の問題

腰痛に関して想定していた診断結果や説明と異なっていた為、混乱したり絶望したことがあった。

不適切な治療や安静

治療者や医療機器に対する依存心が強く、不必要な治療や安静を続ける。

腰痛に関する知識

重病ではないのに重病であると思い込んでいる為、社会復帰する意欲がない。

家族の問題

配偶者やパートナーに対して、良い事も悪い事も含めて心が通じていない。

仕事の問題

ストレスの多い仕事、不満のある仕事、職場のコミュニケーション不足、仕事にやりがいがない。

連携療法

連携療法とは、1人の患者様に対して、内科・整形外科・心療内科・精神科などの医師が連携して

■内科:リハビリや筋トレなどの治療
■整形外科:消炎剤や抗不安薬・抗うつ剤の処方
■心療内科・精神科:ストレスや不安などの心の問題を取り除く
といった心理面・肉体面の両面から慢性腰痛の治療を行います。

今までは、総合病院の中で連携療法を行うことがあり、年々増加傾向にあることを聞きますが、地域によっては、町の診療科と心理カウンセリングルームが連携して行っている場合も多いようです。

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアのイメージ

体内の臓器などが突出または脱出した状態の事を『ヘルニア』と言い、通常、体内の筋肉や膜によって内臓が正しい位置に配置されています。事故や疲労、加齢などによる原因で体を酷使し、その一部が弱ることで、正しい位置からはみ出しますが、それだけでは痛くありません。
飛び出した椎間板が神経を圧迫することで坐骨神経痛とも言われる症状(臀部から大腿部、下腿)の痛みや痺れが現れやすくなります。

日常生活の姿勢が影響

日常生活の姿勢が影響して椎間板ヘルニアになる可能性があります。
悪い姿勢で生活すると骨盤がずれやすく、骨盤がずれることで背骨もずれてしまい、背骨がずれると骨盤もずれるといった悪循環から椎間板への負担が大きくなりつぶれて押し出されると考えられます。
椎間板は20歳を過ぎてから、年齢が増すごとに徐々に弾力性がなくなると言われており、弾力性がなくなることで衝撃や圧迫に耐えることができず、髄核が突出または膨隆すると考えられます。

ぎっくり腰

ぎっくり腰の画像

重い物を持った拍子に突然腰が痛くなり動けなくなってしまう。そんな恐ろしいぎっくり腰、正式には急性腰痛と言います。
読んで字の如く急激に発症した腰痛を指し、欧米ではその激しい痛みから「魔女の一撃」とも呼ばれます。
ぎっくり腰と椎間板ヘルニアは症状が似ていることから間違えられることがありますが、ぎっくり腰は腰が炎症を起こしているだけですので、数日安静にすれば痛みがおさまることが多いです。
多くは一週間~二週間程度で自然に回復していきますが、時間経過によって改善が見られない、または下半身に痛みやしびれと言った症状が出現した場合などは椎間板ヘルニアなどの病気が隠れていることがありますので要注意です。

PLDD (経皮的レーザー椎間板減圧術)

PLDDの画像

PLDD法は椎間板内の髄核に対してレーザーを照射し、蒸散させることで椎間板内の圧力を弱め、椎間板内に収縮させる治療方法です。
大きな特徴として、皮膚の切開ではない為、低侵襲で身体への負担が非常に軽いことです。
また、患部に刺す針も約1㎜と非常に細く、出血もほぼ出ません。
また、PLDD法は腰部だけでなく、急性期の椎間板ヘルニアに適応が可能な治療法です。

日帰り治療が可能

通常での手術での入院期間が2週間~3週間に対してPLDDは即日治療を行い、日帰りで治療を行うことができるので、
「早急に腰痛を抑えたい」、「腰痛を改善したいが、入院する程時間に余裕がない。」という方でも治療を行うことができます。