腰痛疾患に関する記事
筋筋膜性腰痛
筋筋膜性腰痛とは
筋肉又は筋膜と呼ばれる薄い膜が原因で起こる腰痛のことをいいます。
筋膜は筋肉など組織を包む役割だけでなくあらゆる方向に繊維状に張り巡らし、他の組織とつなげる役割もあります
なぜ、痛みが出るのか?
筋膜が正常であると、関節が動くことで筋膜が滑るように動くのですが、筋膜にしわができるまたは筋膜が固まって分厚くなることで、筋膜のすべりが悪くなり、
- 腰がだるい
- 急に腰に痛みが現れる
などの症状が現れます。
筋筋膜性腰痛がおこりやすい状況
- 前かがみや中腰
- 長時間の同じ姿勢
- 腰の急な前後屈や捻り
- 激しい運動
- 重労働
筋筋膜性腰痛がおこりやすい筋肉
日常の動作において特に負荷がかかりやすく、疲労がたまりやすいのが「脊柱起立筋」と「大腰筋(腸腰筋)」の二つの筋肉です。
脊柱起立筋は背中から腰へ向かう太い筋肉で、体を前に倒した時に上半身の重みを支える役割を果たします。
大腰筋は腸腰筋という骨盤まわりの筋肉の一部です。お尻の筋肉を引き上げて骨盤の位置を正常に保ち、腰が曲がって猫背にならないようにしています。
また背骨や脊柱起立筋などの背中の筋肉を下から支える役割も持ちます。
長時間立ちっぱなしや中腰や前かがみの姿勢をとり続けると、これらの筋肉に特に負担がかかり、酷使されることで筋膜が縮んで固まったまま伸びにくくなったり、筋肉が傷つくことで炎症を起こして、痛みや重だるい症状が現れます
筋筋膜性腰痛の検査方法
腰痛疾患の検査方法として画像診断がありますが、MRIやCTでは筋膜を確認することができない為、画像診断で調べることがわからず、また腰痛で病院へ診断をしても、画像には原因がとなるものが映らないことから、まずは特定できない腰痛として扱われることがほとんどでした。
但し、近年では筋膜を確認する方法として超音波エコーがあり、筋膜が厚くなっている又は靭帯が厚くなっている箇所に腰痛の症状が出ていることから、筋筋膜性腰痛と判断できるようになりました。
病院へ行くタイミングはいつ?
痛みが軽い筋肉痛であれば、日常生活において腰が痛むような姿勢や動作を極力控えていれば数日~1週間程度で良くなります。
「なるべく痛みを抑えたい、早く治したい」といった場合は、炎症を抑えるタイプの市販の湿布薬や塗り薬を利用しましょう。
慢性腰痛に関してはカイロや入浴で腰を温めるのも有効です。
※ぎっくり腰のような急で激しい痛みに対しては冷やすのが有効です。温めると逆に症状が悪化するため注意してください
痛みが軽くても、
- 痛みの原因がわからない。
- 数日安静にしても腰痛の症状がおさまらない。
- 腰痛以外に不快な症状や違和感を感じる。
といった場合は筋肉・筋膜とは別の原因の可能性が考えられる為、一度病院の整形外科を受診することをお勧めします。