腰痛治療に関する記事
腰痛の電気治療って何?何で電気を流すと治るの?|腰痛名医.COM
腰痛の電気治療とは
電気治療は物理療法の一つです。神経電流に近い電流を体に流すことで、痛みの感覚を和らげる治療です。
人間の細胞は常に微弱な電位を帯びています。細胞内は「-」で、細胞外は「+」の電位で安定を保っています。外部からの電気刺激により、体内の細胞の電位をコントロールし、体の不調を改善することが可能です。
電気治療の歴史は古く、紀元前の時代から行われています。古代ギリシアや古代ローマでは、痛みを緩和するために、電気を放つシビレエイなどを使って治療を行っていた記録もあります。
電気の研究は1700年代以降に盛んになり、20世紀に入ってから現代の電気治療の原型ができました。
電気治療の種類
経皮的電気刺激療法(TENS)
一般的な低周波治療です。経皮的電気刺激療法は、鎮痛を目的として行われています。
痛みを改善する効果が高いですが、皮膚の抵抗が高いため、治療を受ける際は皮膚の痛みを感じる方もいます。
神経筋電気刺激法(NMES)(h4)
神経筋電気刺激法は主に筋肉の機能を改善するために行われます。筋肉に電気刺激を与え、筋肉を鍛えることができます。リハビリテーション科でよく使用される治療で、事故や手術後の治療として有効です。
微弱電流療法(マイクロカレント療法)(h4)
微弱電流療法は生体電流(人体に流れている電流)を模した電流を流すことで、痛みの回復を促す治療です。スポーツによる体の痛みや不調に効果的で、スポーツ医療で良く用いられています。
干渉電流刺激療法(h4)
干渉電流刺激療法は、中周波という皮膚抵抗が少ない電流を用いて体の深部まで治療をします。低周波に比べれば、皮膚の痛みを感じにくいため、低周波治療が苦手な方におすすめです。
高電圧電気刺激療法(h4)
高電圧電気刺激療法は痛みの改善、筋力強化、創傷治癒、むくみの改善など、幅広い目的で行われる治療です。その特徴は、強い電圧を低周波や中周波よりも深いところまで作用させることです。短時間に高電圧を流すことを繰り返して、刺激感が少ないと言われています。
電気治療の対象
電気治療は、腰部の椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、変性すべり症、ぎっくり腰(急性腰椎症)、圧迫骨折などに適応されています。
治療期間の目安は疾患や症状の強さなどにもよりますが、治療開始から2~4週間継続的にやった方が効果的です。
電気治療の効果
電気治療は次のような効果があります。
痛みの緩和
電気を流すことで血流が促進し、痛みの原因物質の排出ができ、痛みの改善が期待できます。特に低周波治療は疼痛緩和に効果的だとされています。
電流を流すことで痛みの伝達をブロックすることが可能です。怪我や後遺症などの治療としても効果的です。
血行促進
電気治療は血行を促進する効果もあります。特に干渉電流刺激療法や高電圧電気刺激療法など、体の深部に作用する療法は有効です。
筋肉のこりの改善
電気治療は筋肉のこりをほぐすにも効果的です。慢性的な腰痛、肩こり、スポーツによる筋肉疲労などを改善できます。
電気治療のメリット・デメリット
メリット
- 血行を促進して疼痛を緩和できる
- 筋肉の緊張による痛みを解消する
- 神経の興奮を抑える
- 慢性的な痛みにも有効である
デメリット
- 皮膚を刺激するため、皮膚の痛みを感じる
- 電極をつける吸盤の跡が数日残る
- 頭痛、だるさ、かゆみなどの症状が発生することがある
- 強く圧迫された部分に内出血、あざ、腫れができてしまう
- 皮膚がすりむける
- 家庭用機器を使用して、神経などの損傷のリスクがある