腰痛疾患に関する記事
腰椎分離症・すべり症
腰椎分離症・すべり症とは
腰椎の関節突起間部にひびが入る(疲労骨折)ことが原因で、腰椎全体が不安定になることから神経の刺激し、痛みや痺れといった腰痛の症状が現れるのが腰椎分離症です。特におしりに近い第5腰椎に頻発します。スポーツを熱心にしている子どもや成長期にスポーツをしていた人に起こりやすいのが特徴です。また腰椎すべり症は、腰椎の位置が本来の位置からすれることで腰痛の症状が現れることを言います。
腰椎分離症の症状
「腰椎分離症」の症状は、急に激しい痛みが出る事はありませんが、徐々に病状が進行し、
- 長く立ったり、座ったりしている
- 腰をそらす
といった姿勢になると鈍痛や痺れなどの症状があります。
そのままにしておくと慢性的腰痛または脊柱管狭窄症になる可能性がありますので、腰痛が続くようであれば注意が必要です。
「腰椎変性すべり症」は腰椎には馬尾神経を入れた硬膜管が通っている脊柱管があり、椎骨がずれることによって脊柱管が狭くなり、馬尾神経や神経根が圧迫されて脊柱管狭窄症と同じような症状が出ます。
加齢による腰椎分離症・すべり症が若年層に比べて多いのは椎間板の柔軟性が衰えてしまうため、一度すべると元に戻らないと言われています。
腰椎分離症・すべり症の原因
「腰椎分離症」になる原因として、生まれつき椎体と椎弓が分離しており、分離以外にも椎体や椎弓の形態異常を認めることが多く、重度のすべり症になることがあり
、別の原因として、加齢が進むことで靭帯組織や椎間板の劣化が影響し、腰椎分離症になりやすくなります。
腰椎分離すべり症は10~15歳ころから生じ、青少年から高齢者まで広い範囲にわたって腰痛や下肢痛・しびれの症状が現れます。原因の多くは体が柔らかい中学生の頃に、ジャンプや腰の回旋を行うことで腰椎の後方部分に亀裂が入って起こります。「ケガ」のように1回で起こるわけではなく、スポーツの練習などで繰り返して腰椎をそらしたり回したりすることで起こります。一般の人では5%程度に分離症の人がいますが、スポーツ選手では30~40%の人が分離症になっています。
分離症は10歳代で起こりますが、それが原因となってその後徐々に「分離すべり症」に進行していく場合があります。
腰椎変性すべり症の明らかな原因は不明ですが、多くは加齢とともに椎間板や靭帯、関節などの腰椎を固定している組織が変性を起こし、それに伴って腰椎の安定性が失われることから腰椎にずれ(すべり)が出現します。
「腰椎変性すべり症」と呼びます。加齢や長期間にわたる負荷などによって徐々に腰椎が変性を起こし腰椎が滑ることが原因であり、そのため、分離すべり症に比べ高齢で発症し、骨などの組織が変性を起こしやすい女性に多いようです。
腰椎分離症・すべり症の予防
「腰椎分離症」があっても激しい痛みや日常生活への支障は少なく生活できる場合が多い為、腸腰筋・大臀筋・広背筋の強化で、予防することが可能と言えますが、「腰椎変性すべり症」の場合は筋力強化で予防を行うことはあまり効果的ではなく、他の方法での有効性が見られる予防法が公表されていません。
腰椎分離を予防するためには、とくに小学生のスポーツでは、腰に負荷が集中する練習は避けて、全身をバランスよく使うような工夫が必要となります。したがって単一のスポーツだけに取り組むのではなく、複数の種目の練習を取り入れることも効果的です。
腰椎分離症・すべり症のQ&A
- どうして疲労骨折するのですか?
- 原因として、腰の曲げ伸ばしや捻り運動を繰り返すことで徐々に骨の分離が起こると疲労骨折となります。
- 腰椎分離症と言われましたが、日常生活はどうしたらいいですか?
- 保存療法を行った場合も、手術療法を受けた場合にも、腰を守るために日ごろから注意する必要があります。
まず、腰に無理な負担をかけず、重い荷物を持つようなときには姿勢に注意します。バーベルを持ち上げるような運動も好ましくありません。長時間立ち続けたり、デスクワークを続けたりするのも腰に負担をかけます。時々姿勢を変えたり、休息を挟んだりすると、腰の負担を軽減できるでしょう。
また、体重が増えると、腰椎にかかる負担が増すので、肥満しないことも大切です。そして、腰を支えている腹筋と背筋を強化することも、腰を保護するのに役立ちます。
- 腰椎分離症が自然になおることはありますか?
- 腰椎分離症が自然に治ることはありません。また、放置すればするほど治療が難しくなり、そのまま放置してしまうと他の腰痛疾患との合併症を引き起こす可能性がる為、早急に治療するようにしてください。