子宮内膜症に関する記事
子宮内膜症
子宮内膜症とは?
子宮内膜は、通常では子宮の内側のみ発生する細胞のことを言いますが、何らかの影響により子宮外(卵巣や腹膜など)に同じような細胞が発生してしますのが子宮内膜症です。(移植説や化生説などが出ていますが、原因ははっきりしていません。)
一度、子宮内膜症が発生すると閉経するまで完治することがないと言われています。
子宮内膜はエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンにより増殖し、生理の時期が来ると剥がれ落ちて、膣から体外へ排出されますが、子宮外でつくられた子宮内膜は体内で滞り、他の臓器と癒着することで様々な症状が現れます。
子宮内膜症は10代後半から30代の女性に発生し、10人に1人と言われています。
子宮内膜症の症状
子宮内膜症の症状として
- 腰痛
- 下腹部痛
- 排便痛
- 下痢
- 生理痛
- 慢性骨盤痛
などの症状が現れます。
また、子宮内膜症は生理が起こるたびに痛みが増すと言われており、ひどい時は痛み止めも効かない程痛みが強い為、もし少しでも生理痛が重いようであれば、はやめに病院で診察することが必要と言えます。
子宮内膜症の治療
薬物療法
1.偽閉経療法
疑似的に閉経状態することでエストロゲンの分泌を抑え、閉経したのと同じ状態にすることで、子宮内膜症の症状を軽減させます。
2.偽妊娠療法
疑似的に閉経状態することでエストロゲンの分泌を抑え、閉経したのと同じ状態にすることで、子宮内膜症の症状を軽減させます。
偽閉経療法と比較して、副作用が少ないことから使用することが多いのですが、治療効果が薄い為、長期にわたって使用することが必要です。
3.ホルモン療法
低用量ピルなどを使用して、生理を一定期間止める事で痛みを抑えます。
但しホルモン療法は副作用として肝機能の低下や異常、頭痛、吐き気や嘔吐の症状が出ることがありますので、医師と相談しながら使用することが必要です。
子宮内膜症の手術療法
1.腹腔鏡手術
腹腔鏡を挿入し、内視鏡で確認しながら処置します。主に子宮内膜が他の臓器に癒着している範囲が狭い場合や今後、妊娠や不妊治療を目的とした場合に行います。
開腹せずに小さな穴を数カ所当てて行いますので、身体への負担が少なく、入院期間も1週間程度で退院が可能です。
2.開腹手術
子宮内膜が他の臓器に広範囲で癒着している事で腹腔鏡手術では対応できない場合や子宮や卵巣の摘出が必要な場合に開腹手術を行います。
広範囲の処置に対応している分、切開する範囲も広い為、身体への負担が大きく、出血も多いことから入院期間が約1ケ月と腹腔鏡手術に比べて長くなり、また、卵巣や子宮の全摘出を行った結果、更年期障害のリスクが出てくる可能性があります。