腰痛疾患に関する記事

梨状筋症候群

2017年9月6日 2017年09月19日 投稿者: oj-youtu

 

梨状筋症候群とは

梨状筋は大殿筋と呼ばれる臀部の奥深くに存在しているインナーマッスルであり、仙骨と大腿骨をつないでいる筋肉で、坐骨神経と交錯しています。梨状筋が坐骨神経を圧迫し、刺激することで坐骨神経痛のような腰へ痛みや下肢への痺れと言った症状が現れることを梨状筋症候群と言います。

梨状筋の働き

梨状筋は、深層外旋六筋と呼ばれる、股関節の外旋に大きくかかわる筋肉の一つです。
深層外旋六筋は、梨状筋のほかに内閉鎖筋・外閉鎖筋・大腿方形筋・上双子筋・下双子筋があります。

椎間板ヘルニアとの違い

痺れや痛みなどの症状が椎間板ヘルニアと似ている為、ヘルニアと勘違いされることが多いのですが、
椎間板ヘルニアと梨状筋症候群では以下のような違いがあります。

  • 腰への痛みや痺れなどの症状は出ない。
  • 椎間板ヘルニアは急に症状が表われるが、梨状筋症候群はゆっくり症状が表われる。

また、椎間板ヘルニアの治療方法と異なる為、もし痺れや痛みの症状が現れた場合は医師へ診断していただきましょう。

梨状筋症候群の原因

梨状筋症候群の原因は筋肉が拘縮して坐骨神経が圧迫することですが、筋肉が拘縮する原因として運動不足による梨状筋が硬くなることで内旋の動きに制限がかかり、痛みや痺れなどの症状が現れると考えられていますが、運動をしていても筋肉のハリが強くなりすぎて痛みや痺れが出る場合や、ストレスなどの心因性から梨状筋症候群が出る場合があり、ストレスがなくなったとたんに痛みもなくなったという場合もあります。

また、先天的理由から梨状筋症候群になりやすい方も存在し、その症状が重度の場合は外科手術を行うこともあります。

梨状筋症候群の診断方法

梨状筋症候群は椎間板ヘルニアと症状が似ている為、判別する為医師の診断が必要です。
診断方法として、椎間板ヘルニアの場合は画像検査が可能ですが、梨状筋症候群はヘルニアのように突出したものではなく、神経の圧迫が原因か見極める事も非常に難しい為、画像診断で行うことはほぼありません。
まずは、あおむけになり、力を抜いた状態で寝ていただきます。その際に、足先が外側に向くようであれば、臀部の筋肉に拘縮があることが判断できます。

臀部の筋肉に拘縮が見られる場合は、以下の方法で梨状筋症候群ではないか診断を行います。

ヒブテスト

患者様はうつ伏せになっていただきます。その後に膝を90度に曲げて、外側に出した際に痛みや痺れの症状が出ないか確認します。その時に下肢に痛みや痺れなどの症状が股関節以外で出る場合は、梨状筋症候群が疑われます。

徒手検査法

痛みが出ている側を上にして横になっていただき、上の足の膝を前方におろし、足首は、そのまま下の足に乗せた状態です。この状態で痛みが出る場合は梨状筋症候群が疑われます。

ボンネットテスト

仰向けの状態で片足の膝を三角に曲げて内側にたおします。体は仰向けのままで傾けません。
痛みが出るようであれば、梨状筋症候群が疑われます。また徒手検査法で症状が曖昧な場合は、ボンネットテストの方が神経へのストレスがかかりやすく反応が出やすい為、検査の確認として行うことが多いです

梨状筋症候群と関係する疾患