変形性股関節症の治療に関する記事

変形性股関節症の治療

2017年9月6日 2018年01月04日 投稿者: oj-youtu

腰痛疾患の一つである変形性股関節症の治療方法についてご説明いたします。

変形性股関節症の保存治療

薬物療法

根治的治療ではなく痛みを除去する目的として消炎鎮痛剤を使用します。

但し、消炎鎮痛剤を長期間使用することで、胃腸や腎臓などの障害が出ることがある為、もし服用して違和感が出るようでしたら医師と相談し、別の治療を考える必要が出てきます。

またコンドロイチンやグルコサミンを含んだ市販のサプリメントを服用することで痛みを除去することが可能と言われていますが、「医薬品」として認められておらず、効果に関しても明らかにされておりません。

運動療法

変形性股関節症の根本的な治療ではありませんが、痛みを緩和させる目的として股関節周辺の筋肉を鍛える必要があります。

変形性股関節症に有効な運動療法として「ジグリング」があります。

「ジグリング」と言われるとイメージしにくいと思いますが、わかりやすくいうと「貧乏ゆすり」です。

方法として90度膝が曲がる高さの椅子に座り、かかとのみ2~3cm浮かせてください。あとは、かかとをリズミカルに上下に動かす。それだけです。

すごく単純な作業であり、「貧乏ゆすり」と言われると印象が悪いですが、「ジグリング」を行うことで、変形性股関節症の痛みの緩和だけでなく、以下の効果が見られるとも言われています。

ジグリングで期待できる効果

  • 血流改善(冷え性の改善)
  • 疲労回復
  • 認知症の予防
  • 筋肉痛の緩和

温熱療法

温熱療法を行う目的は、腰を温めて血行不良を改善させることです。
血行が良くなる事で新陳代謝が活発になり疲労物質や化学物質が滞ることがなくなり、腰痛の緩和や疲労の回復が期待できます。病院や整骨院ではホットパックや電気マッサージで血行不良を改善させることが多いです。
但し、急性腰痛に対して腰を温めることはかえって炎症を悪化させることがある為、診断内容によっては案内されないこともあります。

治療方法(外科手術)

変形性股関節症の症状が進行している場合や保存治療を行っても効果がない場合に外科手術を行うことがあります。

筋解離術

筋肉の一部(内転筋、腸腰筋、大腿直筋)の硬まった筋肉の腱を切り離して、股関節の動きをよくすることで股関節の痛みを緩和させます。

手術自体の出血は少なく、手術時間も約1時間程度で終わります。

入院期間は1ヶ月程度で退院できますが、術後は筋力が低下してする為、退院後も通院でのリハビリテーションが必要となります。

形成術・骨切術

◆臼蓋棚形成術
腸骨などの骨盤から骨を一部採取して、不足している臼蓋の部分に移植する手術方法です。
初期の変形性股関節症で骨頭に変形がある場合などが良い適応となります。

◆キアリー骨盤骨切術
股関節の上にある骨盤の骨を水平に切り、ずらすことで大腿骨頭がおさまるように改善する外科手術です。

◆人工関節置換術
疾患の出ている関節の損傷部分を取り除き、セラミックやポリエチレンなどでつくられた人口の股関節と置き換えます。
置き換えた人工関節を固定する為、セメントを使用して固定するまたは大腿骨の空洞におさまるようにインプラントを使用する場合があります。
低侵襲である為、患者様への負担が少ないです。

股関節固定術

変形した寛骨臼と大腿骨頭の一部を切除し、関節が外れないようにしてから、金属製のプレートまたはボルトなどを使用して固定します。

ただ、股関節を固定することで、稼働範囲に制限がある為、足を引きずる形になることがあります。

または股関節の痛みがおさまる代わりに腰や膝などの周りに負担がかかる為、腰痛や膝関節の痛みが出ることもあります。

人工関節置換術などの他の治療が適応できない場合に股関節固定術を行う事が多いです。