腰痛治療に関する記事

脊椎固定術

2017年9月6日 2017年09月06日 投稿者: oj-youtu

脊椎固定術とは?

腰痛のしびれや激しい痛みは、神経が圧迫されることで症状が現れることが多く、その神経を圧迫する骨を切除することで、圧迫から解放し、痺れや痛みなどの症状を緩和させます。

但し、骨を切除することで脊椎が不安定なる場合があり、その脊椎を安定させる方法として脊椎固定術と呼ばれる外科手術があります。

主に、脊椎固定術は、脊椎分離症などの脊椎が疲労骨折などの原因から離れてしまった場合や脊椎すべり症の様に椎間板や椎間関節が変性したことによる脊椎のバランスが崩れている。他には椎骨の骨折・脱臼,椎間板炎,脊椎腫瘍などの腰痛疾患に対して手術を行うことがあります。

脊椎固定術の方法

除圧の為に骨を切除した上下の椎体を固定する為に行うのが脊椎固定術であり、上下の椎体に対してプレートやスクリュー,ロッド,スペーサーといった器具をを使用して脊椎を固定します。また、先程案内した器具以外に患者様自身の骨を使用して固定することがあります。

また、脊椎固定術にはいくつかアプロ―チ方法があり、それは腰痛疾患によって異なります、

後方椎体固定術

後方から椎体を固定する方法です。後方から行う場合は腰椎分離症やすべり症に対して行うことが多く、背中から椎弓と飛ばれる椎体の一部や椎間関節を切除し、さらに椎間板・黄色靭帯の切除し、椎間板の代わりとなるスペーサーを挿入してから、プレートをセットしてロッド、スクリューで固定します。

後側方固定術

後方椎体固定術と同じく背中から椎骨まで到達し、椎弓を切除し、患者さんの骨又は固定用の器具を使用して椎骨を固定します。その場合は椎間板・黄色靭帯を切除することはありません。

前方椎体固定

椎体自体が破裂骨折しているときに行うことがある外科手術であり、名前の通り前方の椎体に対して行います。後方椎体固定術,後側方固定術は背中から椎体へ到達していたのに対して、前方椎体固定術は側腹部から椎体へ到達し、破損骨折した周りの椎間板や残っている椎体を切除し、椎体や椎間板の代わりに固定用に器具を使用して固定します。

手術の特徴

椎間板ヘルニアや脊椎分離症・すべり症・脊柱管狭窄症と言った、椎間板の変性や椎体骨折等あらゆる原因に対応した手術方法であり、腰痛の保存療法で対応できない腰痛に対して、約7割以上の患者様が神経麻痺や激しい痛みが改善されています。

脊椎固定術の入院期間

入院してから手術を行うまでに、色々な検査がある為、約3日間はかかります。
手術後も、すぐには退院することはなくしばらくは安静にする必要がある為、退院するまでに1ヶ月近くはかかると考えておきましょう

術後の生活

退院して今までの腰痛症状がなくなったとしても、再度腰痛の症状が現れることも少なくない為、腰に負担をかけない生活をする必要があります。特に手術後からの骨が完全に治るまで半年近くかかると言われており、固定した器具が外れてしまう危険性から、腰を曲げる・捻じる・反らすなどの動きは極力避けてください。また、物を拾う場合も十分しゃがんでから拾うようにして、また、洗面所での洗顔も面倒ではございますが、腰に負担をかけないように、適度な椅子に座り、腰を曲げないようにしましょう。

生活嗜好品として飲酒は少量では問題ありませんが、喫煙は骨に対してよくない為、控えてください。

手術におけるリスク

脊椎固定術に限ったことではありませんが、外科手術を行うことで神経や血管などを傷つけるあるいは感染症になるということは絶対ないとは言い切れず、脊椎固定術に関しては、固定用に器具の破損やスクリューでの固定が緩くなって腰椎がずれた。手術した箇所に細菌感染して化膿した。または、医師とのコミュニケーション不足が原因で患者様の体質に気づかず、術後に金属や人工材料によるアレルギー反応が出てしまったということもごく稀ではありますがリスクがあることも忘れてはいけません。

また固定器具を付けることで腰に違和感や、倦怠感、痛みが長い方で約1年出ることもあります。

脊椎固定術の対象となる腰痛疾患

椎間板ヘルニア

中・重
入院要
脊柱管狭窄症

中・重
入院要
腰椎分離症・すべり症

中・重
入院要
腰椎不安定症

中・重
入院要
脊椎側弯症

中・重
入院要
梨状筋症候群
×
入院要
仙腸関節障害
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入院要

この治療法が有効な疾患